ハッブル宇宙望遠鏡が宇宙距離記録を破った最も遠い銀河『GN-z11』

ハッブル宇宙望遠鏡

いまから8年前の大発見!

NASAのハッブル宇宙望遠鏡を、
物理的に時間を旅するのではなく、
望遠鏡を使って
非常に遠い宇宙のものを見るのだ。

いまから8年前のこと、
NASAのハッブル宇宙望遠鏡を
使った研究チームが、
これまでで最も遠い銀河
発見して記録を塗り替えた!

その銀河を『GN-z11』と名付けました。

Credits:NASA, ESA, P. Oesch (Yale University), G. Brammer (STScI), P. van
Dokkum (Yale University), and G. Illingworth (University of California, Santa Cruz)

この赤ちゃん銀河はとても明るく、
134億年前の宇宙で発見されました!
天文学者たちが
この銀河を見たのは、
宇宙が現在の年齢の
わずか3パーセントの
時代だった。

それはまるで
宇宙の赤ん坊の
写真のようだった。

この銀河「GN-z11」は、
誰もが思っていたよりも
ずっと遠くにあるため、
生後数ヶ月の頃の写真を
見ているようなものです。

この銀河は、
最初の星が生まれてから
わずか2億年から3億年しか
経っていない。
あなたや私が生まれる
ずっとずっと気の遠くなる
ほど前のことです!

Credits:NASA, ESA, P. Oesch and B. Robertson (University of California, Santa Cruz), and A. Feild (STScI)

赤ちゃん銀河とはいえ、
「GN-z11」は急速に成長していました。

たくさんの星を作っており、
当時、その年齢の割には
驚くべきことだった。

それはまるで、
おおぐま座の方角にある
宝石を見つけたようなものでした。

Credits:NASA, ESA, and G. Bacon (STScI)/Science: NASA, ESA, P. Oesch (Yale University), G. Brammer (STScI), P. van Dokkum (Yale University), and G. Illingworth (University of California, Santa Cruz)

赤方偏移に見える初期の銀河

科学者たちは
ハッブル宇宙望遠鏡の
超高性能ツールを使って
この銀河の謎を解こうと
懸命になっています。

以前、科学者たちは、
ハッブル望遠鏡と
同じくNASAの
スピッツァー宇宙望遠鏡という
別の望遠鏡が撮影した
写真の色を見て、
「GN-z11」が
どれくらい遠くに
あるのかを推測しました。

しかし今回、
ハッブル望遠鏡の
広視野カメラ3と呼ばれる
特殊なカメラを使って、
本当に、本当に
正確に距離を測定したのだ。

科学者たちは、
宇宙空間における
物体の距離を知るために
「赤方偏移」と呼ばれるものを
利用しています。

Credit: NASA, ESA, and C. Christian and Z. Levay (STScI)

これは宇宙が
大きくなることによって起こる
特殊効果のようなものだ。

宇宙にあるものが
遠くにあるとき、
その光は私たちには
より赤く見えます。

よって、
赤方偏移が大きいほど、
その銀河は遠くにある、
ということになります。

科学者たちは、
「GN-z11」が
最初に考えていたよりも
さらに遠くにあることを
発見しました。

ハッブルが
見ることのできる
限界の位置にあるのだ!

それは当時、これまでに発見された
銀河の中で最も遠い銀河だったのです。

以前、科学者たちは
別の銀河が最も遠いと
考えていましたが、
「GN-z11」が
さらに遠いことがわかりました。

ビッグバンが起こった
2億年近く前の、
すべての始まりに
近づいているようなものだ。

ハッブルは古い記録を破り、
この超遠方銀河を発見したことに、
研究グループは驚きを隠せません。

そしてこの記録は、
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が
登場するまで残るかもしれないほどです。

研究チームはまた、
「GN-z11」が
わたしたちの
天の川銀河より少し小さく、
まるで小さな兄弟のようで
あることも発見した。

しかしどうだろう?

GN-z11は、
超高速で成長しており、
我々の銀河系よりも
ずっと早く星を作っています。

まるで赤ん坊が
急速に成長して
明るい星になるようなものだ!

これらの発見は、
宇宙の初期に関する
秘密の手がかりを
見つけたようなものだ。

研究者の一人は、
これほど大きな銀河が、
最初の星が形成され始めてから
わずか2億年から3億年後に
存在していたということは
大変驚くべきことだと語った。

これほど早く
太陽質量10億個分の銀河を形成するには、
非常に速い成長が必要であり、
膨大な速度で星を生成する必要があると、
驚きを隠せません。

そして、ジェイムズウェッブ宇宙望遠鏡による観測へ続きます。

赤方偏移と遠隔銀河までの距離の測定

Credit: NASA, ESA, and C. Christian and Z. Levay (STScI)

光りは、
虹のようにさまざまな
色で輝いています。

銀河の中には、
新しい星をたくさん
作っているものがあり、
その特別な紫外線の光は、
星を作る周りの雲に
隠れてしまうことがあります。

写真では、”紫外線 “の領域の
左側に暗い点が見えますが、
これは雲が隠れて
紫外線が落ちているところです。

私たちの銀河のように、
近くにある銀河を研究している
科学者たちは、予想通り
この紫外線の減少を
見ることができます。

しかし、遠くの銀河を見ると、
面白いことが起こる!

虹色の光全体が、
色眼鏡で見たときのように
シフトするのだ。

このシフトによって、
すべてのものが
本来よりも少し赤く見える。

紫外線に含まれる暗い点は、
秘密の暗号のようなものなのだ!

科学者はこれを使って、
銀河がどれくらい
遠くにあるのかを
知ることができます。

足跡を見て友達との
距離を測るようなものだ。

天文学者は、
この紫外線ドロップを使って、
銀河の「足跡」と、
それが宇宙で
どのくらい離れているかを調べます。

GN-z11という特殊な銀河は
宇宙の虹のようで、
“紫外線ドロップ “と呼ばれる
秘密のコードを持っています。

しかし、この暗号は
少しトリッキーなのだ。

なぜなら、
この銀河は本当に遠くにあり、
まるで大きく後退したかのようだからだ。

そのため、
通常の色でドロップを見る代わりに、
虹の赤側に移動しています。

科学者たちは、
「赤外線観測」と呼ばれる
特殊な宇宙ゴーグルを使って、
隠されたメッセージを見るために
特殊なメガネを使うように、
このトリッキーな
雫をキャッチします。

Credit: NASA, ESA, and C. Christian and Z. Levay (STScI)

それは、写真中央の “IR “ラベルの
すぐ上に暗い点として見ることができる。

さて、
ジェットコースターのような
グラフがありますが、
これは銀河からの
宇宙の虹の形を表しています。

そして、
虹がどのように変化するかを示す
宇宙絵画のようなカラフルな写真があります。

科学者たちは、
分光法と呼ばれる
これらのツールを使って、
銀河のトリッキーな
ステップバックを測定し、
銀河がどのくらい遠くにあるのかを
把握するのに役立てています。

しかし、内気な銀河は、
写真にうまく写らないことがあります。

そこで科学者たちは、
銀河からの光がどこから
来ているのかを突き止めるために、
このクールなカメラに
さまざまなフィルターをかけ、
さらに宇宙望遠鏡も使っています。

しかし、ここからが厄介なところだ。

銀河の中には、
特に「紫外線ドロップ」と
呼ばれる高エネルギー部分
(宇宙図では左側)では、
暗がりに隠れるように
暗すぎるものがある。

もし銀河が少し恥ずかしがって
一歩下がった場合(これを赤方偏移と呼ぶ)、
ドロップは写真の別の場所に移動します。

科学者たちは、
異なるフィルターで
撮影された写真を比較する。

まるで異なる宇宙メガネで
銀河を見るように。
分光法と呼ばれる
特別な道具を使うほど
正確ではないが、
銀河がどのくらい
遠くにあるのかの
大まかな見当はつきます。

内気な銀河の友だちが
どこに隠れているのか、
宇宙で推理ゲームを
しているようなものなのだ!

資料・出典

ハッブルチームが宇宙距離記録を破る
2016 年 3 月 3 日
https://hubblesite.org/contents/news-releases/2016/news-2016-07.html

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